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州諸国からの輸入のシェアが伸びている点が特徴である。このほか、金額的には小さいが、EC加盟国となったスペインからの輸入が増加しつつある。
次に商品別構造をみると、輸出では酪農王国デンマークを反映して、チーズ、バター、肉類・同製品など農産品の比重が大きく、これに機械類、船舶が続いている。
デンマーク工業の発展を反映して、機械類・船舶を含む工業品全体の比重は、全輸出総額の3分の2を占めるに至っている。
他方、輸入商品構造の特徴は、各種中間財の輸入比重が大きいことで、これは例年全輸入総額の50%近くを占めている。
次いで、原油、潤滑油等の輸入が大きいが、エネルギー自給化の進展に伴い金額ウエイトが減少しつつあり、86年以降の原油価格の下落と北海油田の原油・ガス生産の急増により、92年にはそのシェアは6.0%にまで低下している。
1992年の輸出額は前年比3.9%増の2,387.2億クローネ、輸入額は同1.8%減の2,030億クローネとなっており、貿易収支は過去最高の357.2億クローネの黒字を記録している。
輸出増大の要因としては、工業製品、食肉等農産品の好調な伸びと船舶の急増の比重が大きい。輸入では、輸送機器、航空機、船舶、石油等燃料が減少している。
1993年の国家予算は439.5億クローネ(92年は305.6億クローネ)の赤字を記録している。
デンマークの対外債務残高は、1991年末現在2,640億クローネ(年間GDPの約32%に相当する額)に達しており、国民1人当たりの債務は世界工業諸国の中で最高水準にある。
外貨準備高は、93年12月末現在101億4,500万ドルとなっている。
1985〜92年の年間平均インフレ率は3.4%で推移していたが、政府の引締政策によって93年末には、1.5%に低下している。
国内最大の社会問題であり、かつ財政の圧迫要因となっている雇用関係については、低成長と内需の低迷を背景に1992年の失業率は10.4%、93年は約12%と更に悪化し、前年に引き続き高い水準で推移している。
政府は、失業率改善のための総合対策を講じているが、世界的な不況の下で短期間での大きな成果を得るのは困難な模様である
 
 

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