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冶金は、多種多様の機械、輸送機器などの生産にとって重要な基盤と成っている。スウェーデンの製造業にとって第二に重要な分野は、森林資源を基礎としている。この分野は、製材所、合板工場、建具業、木材パルプ工場、製紙工場、壁板用ボード製造業など含み、製造業総価格の約20%を占めている。
スウェーデンにおける製造業で、近年急速な成長を遂げている分野は、化学工業、特に石油化学工業である。
鉱工業の分野には、建築資材の生産やガラスおよび陶磁器などの装飾美術品の製造が含まれる。
エネルギー源については、スウェーデンでは主として水力発電(1992年には全電力供給量の51.5%を占めている)と原子力発電に依存している。
炭化水素燃料の輸入は、1993年には輸入総額の9.2%(1992年は8.7%)を占めている。近年、環境法令による規制が厳しいため、原子力発電など代替エネルギー源の一層の開発が推進されている。
次に貿易関係では、スウェーデンは貿易依存度の極めて高い国であり、輸出入貿易が経済発展に大きく貢献している反面、国内景気は貿易相手国の景気に著しく支配されている。
スウェーデンの貿易収支は、原油価格の暴騰を主要因として1970年代後半から80年代前半にかけて大幅な赤字を記録した。
その後、再度にわたるクローナの切り下げにより、輸出が順調な増加を示し、83年以降の貿易収支は黒字を維持している。
1993年の貿易黒字は70億7,800万米ドル(1992年は61億5,800万ドル)を記録したが、経常収支は43億5,100万ドル(92年は48億4,600万ドル)の赤字となっている。
スウェーデンの輸出入貿易は、EC諸国が圧倒的に大きなシェアを占めている。
EC諸国は、1992年にはスウェーデンの輸入総額の55.6%、輸出総額の55.8%を占めている。
一方、EFTA加盟諸国は、1992年ではスウェーデンの輸入総額の16.4%、輸出総額の17.4%となっている。
 
 

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