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ノルウェー
 
(1)一般事情
 
ノルウェーは、スカンジナビア半島の北西部を占め、東部は北からロシア、フィンランド、スウェーデンと国境を接し、西はノルウェー海と北海に面している。国土は南北に細長く、国土の約半分が北極圏内にあり、耕地面積は全土の3%程度に過ぎず、約25%が森林地帯、残りは山丘不毛地帯や河川、湖沼などから成っている。更に国土の2分の1以上が海抜500メートル以上、約4分の1が海抜1,000メートル以上の高さにあって、恵まれた環境にあるとはいえない。
国土面積は323,880平方?(日本の0.86倍)で、人口は約430万人(93年1月現在)である。
人種は北方ゲルマン民族、主要言語はノルウェー語、宗教はキリスト教(福音ルーテル派)である。
気候は、首都オスローの1月平均気温が24°F(-4.7℃)、7月の平均が63°F(17.3℃)、年間降水量が740mm、ノルウェー第2の都市ベルゲンの1月平均が35°F(1.4℃)、7月の平均が60°F(15.3℃)、年間降水量が2,108mmである。
ノルウェーは、特殊な地形を生かした水力発電を利用して電気化学、電気冶金工業を発展させてきた、1971年には北海油田で商業生産を開始し、1975年からは石油輸出国となった。
ノルウェーは過少人口という要因もあるが、国内エネルギー需要の約半分ずつを占める水力と石油については、21世紀前半までは十分な余裕をもって自給が可能といわれ、先進国では例をみない恵まれたエネルギー事情を有する国である。
ノルウェー経済は、1970年代に石油生産が開始されて以来、石油への依存度が高まっている。
1985年には、石油開発関係の税収が国家歳入に占める割合は約20%、原油・天然ガス生産が国内総生産(GDP)に占める割合は約19%、原油・天然ガス輸出が商品・サービス輸出に占める割合は約35%となっている。
この国内産の原油・天然ガスのおかげで1970年代後半には、世界経済が停滞する中でノルウェー経済は高成長を遂げた。
 
 

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