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(C)需要状況
ポルトガルの商船隊(100G/T以上の船舶)は、1985年には過去最高の367隻(1,436,892G/T)に達したが、その後年々減少し、89年には313隻(726,102G/T)となり、G/Tべ一スでは85年に比べ約50%減となった。
商船隊が特に大幅に減少したのはオイル・タンカーであり、85年に17隻、860,155G/Tであったのが、89年には10隻、322,816G/Tと、G/Tべ一スで85年の37.5%に減少した。
一方、89年から90年にかけて、オイル・タンカー2隻(70,415G/T)、オア/バルク・キャリア2隻(45,323G/T)、コンテナ船2隻(6,591G/T)、漁船6隻(1,150G/T)、その他4隻(4,186G/T)など合計16隻(127,665G/T)が新規参入したことにより、90年末現在の保有船腹量は329隻(853,767G/T)となったが、90年の世界商船隊は78,336隻(423,627G/T)となっているので、ポルトガル商船隊はG/Tべ一スでは0.2%程度を占めているに過ぎず、EC諸国内では低い水準となっており、今後の需要拡大が期待される。
(D)船腹拡充計画
ポルトガルの保有船腹の船令構成をみると、老朽船が極めて多い。
1947年に設立された国営の大手海運会社Sopontaでも、90年にSolisnor(旧Stenave)造船所で建造のタンカー1隻(52,533G/T)と、80年建造のタンカー1隻(53,974G/T)とを除いた残りの8隻(325,780G/T)は、70年代の前半もしくは後半に建造された老令船である。
現在、ポルトガル国営企業の所有船舶の平均船令は15年であるのに対し、民間企業の平均船令は30年を超え、非常に老朽化している。
これら老朽船は非能率であり、人件費・燃料費などコスト面でも非常に高くなるため、最新鋭船に代替する必要に迫られている。
このため、船腹拡充計画では、単に数量的増強・拡充よりも、老令船の淘汰、代替船建造による質的な充実を目指して徐々に推進されているが、国内経済事清の悪化から、計画は予定通りに進んでいない。
 
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