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イタリアは、石油への依存度を減らすため、他のエネルギー資源の開発を推進している。
代替エネルギー政策の推進は、2度にわたる石油危機によってイタリア経済が完全に麻痺状態に陥った苦い経験によるものである。
イタリアは、わが国と同様に最も石油依存度の高い国であるが、天然ガスを産出するのが特色である。
天然ガス(メタン)の埋蔵量は、現時点で2,000億立方m、このうち1,800立方mがENI(炭化水素公社)の所有で、残りが民間企業のものである。更に、新しいガス田の発見の可能性もある。
貿易関係では、イタリアは毎年大幅は貿易赤字で悩んでおり、主要貿易相手国との間でアンバランスが続いているが、その中で対米貿易だけは黒字で推移している。
輸出の約70%、輸入の約60%が先進国との取引きであるが、輸入では石油輸出国機構(OPEC)諸国が原油輸出を背景に全体の16%程度を占めている。
イタリアは天然資源に乏しく、原油をはじめとして農水産品や各主原材料を輸入に依存している一方、輸出においては、輸入した原料を加工し、鉄鋼製品、自動車、化学品といった重化学工業品を扱っているほか、繊維、衣料品、皮革製品といった伝統的な軽工業品も主力輸出商品となっている。
90年の貿易は、輸出が203兆6,000億リラ、輸入が217兆7,000億リラで、貿易収支は14兆1,000億リラの赤字となっている。
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