日本財団 図書館


 

 
(B)海運事情と保有船主の実態
ベルギーは、海運のほかに河川、運河など国内水路による貨客輸送が発達している。
河川のうち、最も重要なのはムーズ川とエスコー川であり、いずれも水源はフランスで、ベルギーを貫流してオランダに入り、更に北海へ注いでいる。
エスコー川の河口にはアントワープ港、ムーズ川の河口にはロッテルダム港(オランダ)がある。
欧州におけるこの2大港と内陸を結ぶ両河川と多数の運河網は、ベルギーをはじめ西欧諸国の交通上の大動脈の役割を果たしている。
近年、陸上交通機関の発達に伴い、その重要性は低下しつつあるが、特にアントワープ〜ブリュッセル、アントワープ〜リエージュ間の貨物輸送には不可欠とされ、内陸水路の利用が活発に行われている。
海運については、ベルギー海運界も世界的不況の例外ではなく、経営面では非常に困難な状況に直面している。このことは、保有船腹量が86年の355隻(242万G/T)から年毎に縮小し、91年には268隻(31万G/T)にまで激減していることからも伺い知ることができる。
現在、ベルギーの主な海運会社の保有船舶などの概要は、次の通りである。
1.CMB SA/NV
(所在地)St.-Katelijnevest 61, B-2000 Antwerp 1
同社は、ベルギー最大の船会社であり、最近、保有船腹を削減させたものの依然国内に強い影響力をもっている。
創立は1895年と古く、ライナー・サービスを中心とした船会社であり、日本に対してはコンテナ・サービスを行っている。
 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION