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考えられる。
オランダは、広範囲の自由貿易を国是としてはいるが、貿易の対象はEC諸国が中心であるので、各競争相手国はオランダ側にメリットをもたらすように、均衡貿易の線上で重化学工業を主とした貿易の拡大を進め、これを船舶受注への布石としている。
(C)オランダに対する歴史的、経済的なつながり
オランダと日本との関係は、1609年にオランダ船2隻(ローデレーウ号とフリケーン号)が平戸に入港し、徳川家康からの御朱印状を受けて平戸に商館を設立したのが対日貿易の始まりである。この商館は1641年に出島に移され、1856年に日蘭和親通商条約が締結されるまで実に163代の館長が在任していた。
1856年の日蘭和親通商条約締結後、1859年にオランダ領事館が横浜に開設、1868年にはオランダ公使館が東京に開設された。日本からは1879年に最初の公使がハーグ公使館に派遣され、アムステルダム及びロッテルダムの両市にも名誉総領事が置かれた。
第2次世界大戦で両国間の外交は断絶し、サンフランシスコ平和条約締結直後の1951年に戦後はじめて日本政府在外事務所がハーグに復活設置され、翌52年に大使館に昇格した。一方、在日オランダ公使館は1950年に大使館に昇格した。
なお、現在アムステルダム及びロッテルダムには、わが国の名誉総領事が在任している。
両国間の関係は、過去4世紀にわたる歴史に裏打ちされ着実に緊密の度を増しつつあり、共に西側自由主義陣営の一員として協調、協力を行い、基本的には極めて良好な関係にあるといえる。
オランダには現在、アムステルダムやロッテルダムを中心に銀行、商社、メーカーなどの日本企業の駐在員及びその家族が多数居住しているほか、オランダ政府給費留学生が滞在しており、在留日本人の総数は約5,000名(91年末現在)に達している。
貿易関係では、わが国とオランダの貿易の特徴としては、(1)日本側の圧倒的な
 
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