(D)船腹拡充計画
ルーマニアの商船隊は、1970年から4回にわたる船腹拡充5ヵ年計画の実施により、1990年にはルーマニア海運史上最大の483隻、400万G/T(約610万DWT)を記録し、1970年代初期の保有量に比べ、この20年間に隻数で約200隻の増加、トン教べ一スでは約200万G/T(約300万DWT)の増加をしている。
その後、旧ソ連の崩壊に伴う旧コメコン諸国の経済混乱、市場経済移行の難航、欧州経済統合の遅れなどの影響で、ルーマニア経済は極度に悪化し、輸出入貿易量も著しく減少した。
この結果、91年以降、過剰船腹や非効率、非生産的な老朽船が処分され、輸送需要に適応した船隊の刷新と調整が行われ、92年末までにルーマニアの商船隊は大幅に縮小された。
なお、ルーマニア商船隊には老令船が多数あるので、今後ともこれらの代替需要があるものと予想される。
(3)港湾事情
ルーマニアの主要港は、黒海沿岸の海港コンスタンツァ、ドナウ川沿岸の河港ガラーチ、プレイラ、スリナ、ツールシア、ジウルジュなどの諸港である。
ルーマニア港湾における海上輸送貨物取扱量および内陸水運による貨・客輸送量は、次の通りである。