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ポーランドの造船所は一般に、新造、修繕のいずれの施設も老朽化し、新たな資本投下を必要としている。造船所によっては、現存設備の50%以上が耐用年数を過ぎており、新しい施設を建設するといった新たな設備投資が要求される状況にあるが、現在その財源がないといわれている。

また、労働カについても、熟練工は比較的賃金が低いこと、住宅などの福祉施設がないこと、重労働であることなどから、造船所離れをしており、造船業で労働力が安定しないことは、この企業の存亡にかかわる重大な脅威となっている。

更にまた、労働者不足に代る機械化を実施するだけの資金もなく、ある種の職場では自動化は全く不可能とさえいわれている。

ポーランドの造船業は、あらゆる船舶、例えば非常に複雑なタイフの船でも建造できる能力を持っている。また、競争力のある新造船の建造に必要なノウハウもあるので、比較的高価な輸出用船舳の建造に積極的である。

また、より多くの利益が得られ、且つ原料消費の少ない事業として、外国船の修繕工事の受注に努力している。





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