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  (B)海運事情と保有船主の実態

 旧ソ連は1980年以降、海上輸送の増強に力を入れており、特に80年から90年の間における商船隊の発達は目覚ましく、90年末の船腹保有量は過去最大の2,674万G/T(2,936万DWT)に達し、同年における日本の2,708万G/T(4,083万DWT)に次ぐ、世界第4位の大海運国となった。

 

 その後、旧ソ連の崩壊によるCIS(独立国家共同体)の誕生、旧ソ連主要構成国(エストニア、ラトビア、リトアニア、その他)の離脱、ロシア連邦からの独立などにより、92年末現在におけるロシアの保有船腹量は大幅に減少し、1,563万G/T(1,659万DWT)となった。

 

 なお、ロシアには長大な河川が多く、特にシベリア、極東地域では河川は、輸送手段として利用される期間は年間を通じ数ヵ月に過ぎないが、物資輸送に大きな役割を果たしている。
 シベリア、極東地域における天然の河川のほかに、欧州地域では自海とバルト海を結ぶベロモルスコ・バルト運河、モスクワ運河、ボルガ河とドン河を結ぶボルゴ・ドン運河、ボルゴ・バルト運河などがあり、自海、バルト海、黒海、カスピ海、アゾフ海などの海運と国内河川諸港とが、途中貨物積換えなしに直接結びつけられている。
 なかでも、バルト海と黒海を結ぶ運河は、5,000トン級船舶の航行が可能であり海路で欧州を迂回する場合よりも2分の1も輸送距離が短縮されている。
 現在、ロシアにおける主な海運会社とその保有船舶は、次の通りである。

 

 

 

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