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現在、ロシアにおける鉱工業は、生産設備の老朽化したものが多く、設備更新と公害設備の導入に対する需要が強まっている。しかし、国および企業の資金は不充分であり、また破産する企業が増え、従業員に対する給料遅配といったケースも続出し、鉱工業をとりまく環境は厳しい状況にある。
 ロシアは、石油、石油製品、石炭、天然ガス、泥炭などを含むエネルギー資源の埋蔵に恵まれているが、近年開発の条件は厳しくなってきている。これは他の鉱産物についてもいえることであるが、資源埋蔵地が鉄道、道路から遥かに離れた地点にあり、または採掘条件が悪くなってきているためである。
 1992年における石油採掘量は、前年に比べ14%減、天然ガスは0.4%減、石炭は5%城となった。
 その他採掘中の主要鉱物としては、銅、鉄鉱、鉛、燐酸鉱、ニッケル、マンガン、金、ダイヤモンドなどがある。
 ロシアにおける電力エネルギーの供給は、石油、天然ガス、石炭、原子力および水力に依存しており、92年の発電量は9,937億kwh(前年比5%減)に達している。
 工業生産の減退に伴う電力需要の減少により、発電量は90年以降減少傾向にある。
 貿易関係では、1992年におけるロシアの輸出線額(旧ソ連邦諸国を除く)は、前年に比べ25%減の381億ドルであったが、一方で輸入を抑制したため、輸入が前年比21%減の350億ドルにとどまった。この結果、貿易バランスは31億ドルの出超となった。
 ロシアの貿易総額に占める旧コメコン諸国の比率は、1991年の24%から92年には18%に低下した。
 ロシアの最大貿易相手国はドイツであるが、1992年おけるドイツとの貿易額は、前年比7%減の122億ドル(ロシアの対外貿易総額の17%)となった。
 同年におけるイタリア、米国、英国、フィンランドおよび日本との貿易は、著しく増大した。
 ロシアの主要輸出品は石油および天然ガスであり、92年には燃料と原材料の輸出は輸出総額の50%以上を占めているが、機械および産業用機器は輸出総額の僅

 

 

 

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