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はしがき

当会では昭和37年より(財)日本船舶振興会からの補助を受けて、中小型船の輸出市場または競争相手と目される国々の海運造船事情等について調査研究を行い、報告書にまとめて刊行してまいりました。
 現在、それらの報告書は21エリア・約80カ国に及んでおります。
 本年度はエリア13(ロシア、中国)、エリア14(オーストリア、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア)の7カ国について調査研究を行いましたが、本報告書は、そのうちエリア13(ロシア、中国)の報告書であります。
 ロシアの現有船腹量は約4,500隻・1,560万GT(1,660万DWT)でありますが、その半分は船令20年以上で早急な代替建造を必要としております。
 このため、政府は21世紀初頭までに580隻・800万DWTの船舶建造計画を承認しております。
 一方、中国の現有船腹量は約2,400隻・1,400万GT(2,000万DWT)であり、世界第8位の地位を占めていますが、その半分は船令15年以上で早急な代替建造を必要としております。
 また、同国は造船業にも相当な意欲をもち、最大15万DWTの船舶建造可能なビルディングドックを有し輸出にも力を注いでいるので、近い将来韓国、インドネシアに続いて造船国になることが予想されます。
 ロシア、中国とも急激な変動をしており、その実態が確認できないので今後更に調査研究に努めていく所存であります。

 

 

 

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