世界銀行(世銀)の推定によると、1992年におけるチリの国民総生産(GNP)は、1990〜92年の平均価格で測定すると、370億6,400万米ドルであり、国民一人当り2,730ドルに相当する。
1985〜92年の期間に、実質GNPは平均年率6.1%の割合で成長したものと推定される。この期間に、人口は年平均1.7%の割合で増加している。
チリの国内総生産(GDP)は、1980〜91年の期間に年平均3.6%の割合で増加した。
農業部門(牧・林・漁業を含む)は、1992年にはGDPの8.3%を寄与し、就業労働力の約18.0%がこの部門に従事している。
チリは、かつては小麦輸出国であったが、現在では小麦・肉類などは内需を賄いきれず、輸入に依存している。
これは、耕地(413万ヘクタール)および牧草地(1,360万ヘクタール)が十分に利用されていないうえ、農業技術が遅れており、土地生産性も低いからである。
このように農牧業が停滞している要因は、大土地所有制と農牧業政策によるものといわれている。
主要農産物は、小麦、とうもろこし、ポテト、砂糖きび、ぶどう、りんご、桃、プラムなどがある。
南部地方では、牧羊が行われている。
果物や園芸作物は、南半球に位置する地の利を生かして、収穫時期の異なる北半球各国への輸出拡大が期待されている。
チリは、果物および野菜の主要輸出国であり、1992年の果物・野菜輸出は輸出