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業、水産業などの目覚ましい発展のため、主要産業としての農業の比重は低下してきている。
 しかし、農業はGDPおよび雇用の面からして、依然として重要な地位を占めている産業である。
 ペルーは、国土面積12,500万ヘクタールのうち、7,000万ヘクタールが森林、1,200万ヘクタールが牧場、170万ヘクタールが耕地である。
 主要農産物は、輸出用として海岸地帯で大規模に栽培されている綿花、砂糖きび、コーヒーなどと、国内消費用として主として高原地帯の各地で小規模に生産される小麦、大麦、米、馬鈴薯、とうもろこし、野菜などである。
 しかし、穀物、酪農品などは、いずれも国内需要を賄いきれず、輸入に大きく依存している。主食用の小麦などのほかに、食用肉についても輸入に依存している。
 これは、牧場に適した牧草地が不足しているため、食用牛の飼育が極めて限られているからである。
 ペルーで畜産物として最も重要なのは、食用畜産品よりも、羊毛、アルパカ、リヤマなどの獣毛の生産であって、アンデス中央高原の山岳地帯の各地で畜産が行われている。

 

 

 

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