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(C)船腹拡充計画

 トリニダードトバゴは小さな群島から成る小国であるが、国家経済を支える石油・石油関連製品の輸出、経済開発計画に伴う各種生産財や資材、その他大量の食料品の輸入などのため、これに必要な自国海運の育成、強化、発展に強い意欲を示しているが、これを具体的な計画の下に実施するまでには至っていない。

 従って、必要に応じて徐々に船隊の充実を図っている程度であり、長期にわたる船腹拡充計画は現在のところ見られない。

(D)需要状況

 トリニダードトバゴは独立以来、未だ年月は浅いが、最近における国内の原油生産、石油精製および輸出の拡大に伴い、自国をめぐる海運の動きが活気を呈してきた。

 それ故、政府は、これに対応する自国運の重要性、即ち荷動需要を満たす商船隊の必要性を十分に認識しており、新造船に対する需要の顕在化の可能性は比蚊約高いといえる。

 同国の主要輸出産品の石油およびアンモニア、メタノールなど石油化学製品の荷動きが今後も確実に伸びるため、これらの輸送に対応した新たな船腹保有の必要が生じるものと予想される。

 しかし、従来から新造船舶の購入は全て海外からの融資に依存していた状況に加え、最近における同国経済の落ち込みを考慮すれば、具体的な発注に至るまでにはかなりの年月を要するものと思われる。

 

 

 

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