(C)需要状況
ベネズエラ船隊の平均船台は89年1月現在11.3年と、中南米諸国中でもブラジルに次ぐ低さで、過去において積極的な船隊の近代化が図られてきた点を考慮すれば、今後も船舶に対する潜在需要が十分に存在するものと考えられる。
特に、国営海運企業のCAVN社は、中期的に既保有船隊のコンテナ船へ代替する方針が打ち出されている。また、同国の自国船による積取比率から推定しても、タンカー、プロダクト・キャリア、バルク・キャリア、一般貨物船などの新規船腹が必要とされていることからして、将来、経済事情が好転すれば具体的な新造需要が顕在化することも予想される。
(D)船腹拡充計画
ベネズエラは、78年に商船隊保護開発法を公布し、自国船優先政策を推進してきたが、最近では石油価格の低迷、対外貿易の不振、対外信務負担の重圧などによる資金調達力の不足から、具体的な海運拡充計画は講じられていない。
(3)港湾事情
ベネズエラには、マラカイボを中心とする原油輸出専用ターミナルをはじめ、ドライバルクや一般貨物を取扱う主要港湾、オリノコ河およびアルプ河沿いの港湾など約50港湾(漁港を含む)があるが、海外からの貨物が輸入される主要港湾は、港湾局の管理下にあるラ・グアイラ港、プエルト・カベーリヨ港、マラカイボ港など