メキシコは、太平洋岸とカリブ海岸とを合わせ9,903キロにも及ぶ長い海岸線と、43平方キロという広大な大陸棚に恵まれ、また太平洋に面したカリフォルニア半島の沖合は暖流と寒流とが合流し、水産資源の豊富な好漁場となっている。
メキシコは、1969年に領海を12カイリに拡張し(それ以前は領海9カイリ、その外側に漁業専管水域3カイリ)、次いで76年には200カイリ排他的経済水域(EZ)を設定し、EZ内の資源は全てメキシコに所属し、その開発はメキシコ人の手で、との政策を明らかにした。
以後、メキシコ政府は82年に漁業省を設置するなど、漁業の振興に特に力を入れており、漁獲高も142万トン(87年実績)に達している。
太平洋岸の主要魚種は、伊勢えび、えび、かき、あわび、アンチョビー、まぐろ、かつお等であり、メキシコ湾岸ではえび、たら、たい、あじ、ぼら等が多い。内水は面積約6,500平方キロで、ます、こい、なまず等を養殖している。
漁介類輸出では、冷凍エビが最大の輸出商品であり、87年のエビ輸出は4億3,500万ドルの外貨収入を得ている。