日本財団 図書館


 

054-1.gif

(9)評  価 トルコは政府の海運・造船振興政策に基づき、近年急速に船腹の拡充および造船施設の整備、近代化を推進している。同国の現有船腹量は100G/T以上の鋼船で約334万G/Tに達しており、また、造船設備でば最大建造能力75,000DWの船台を有し、さらに150,000DWのドライドックも建設中である。
 船舶需要としては同国保有船舶の約3割を占める船令20年以上の老朽船の代替建造が予想されるが、大型船や高度友建造技術を要する特殊船はともかく。中小型船の分野では相当量の国内建造能力を備えており、かつ、自国船についてば国内建造優先政策を採っていることなどから、対外発注はかなり制約されると思われる。また、対外発注される場合も、西独、英国、フランス、オランダなどのEC主要造船諸国は従来よりトルコと密接な経済協力関係にあるが、わが国は地理的に隔絶しているだけでなく。円高の影響等冬あるため。これらEC諸国に比べ。わが国ば不利な立場にあると言わざるを得ない。
 わが国からトルコヘは過去にバルクキャリアを中心に相当量の輸出実績を有していたが、近年は皆無である。斯業としてば今後高度友建造技術を要する特殊船あるいば専用船に的をしぼった輸出対策の樹立が必要となるであろう。

 

 

 

前ページ   目次へ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION