(5)漁業事情
(A)漁業の実態
トルコは、北は黒海、西はマルマラ海および工一ゲ海、南は東地中海に面し、三方に好漁場を控えているが、漁獲物に対する国内需要が比較的に少なく、また流通機構の不備な点もあって、漁業は水産資源の豊富な割には発達していない。
漁撈は、沿岸漁業を主体としており、漁法としてはトロールが黒海、工一ゲ海、東地中海、巻き網が黒海、マルマラ海、流し網がマルマラ海で、それぞれ行われている。
捕獲魚の種類は主に、アンチョビー、まぐろ、あじ、ぼら、かつお、さば、えび等である。これら水産物は内需を満たし、その一部は鮮魚のまま、または冷凍魚として、ギリシャ、イタリア、レバノン、その他東欧諸国などに輸出されており、輸出高は85年に2,100万ドル、86年には2,400万ドルに達している。
(B)漁船保有状況
トルコの漁船総数は、大小合わせて約8,600隻で、このうち動力船が約3,000隻を占めている。