(9)評価
アラブ首長国連邦の保有船腹量は約82万GTである。同連邦内で最大の産油首長国であるアブダビは比較的船腹拡充に積極的であるが、連邦国として海運業に対する統一的な政策等はもっておらず、全体としては新造船の需要はない。
わが国からアラブ首長国連邦に対する中小型船舶の輸出は1981年にバルクキャリア2隻、82年〜83年にサプライボート3隻の計5隻があるが、最近は実績がなく、また、引合も寄せられていない。
現在、同国はOPECで認められた石油生産枠を大幅に上まわる生産を続けており、国内の石油精製能力も増強されているので、将来タンカー等の需要が生じることも考えられるが、現在のところは中小型船舶の市場としてはあまり期待できないと思われる。