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 1993年の労働人口は8,140万人、就業労働人口(就業者数)は7,921万人であるが、今後数年間は毎年240万人の新規労働者(15歳以上23歳未満)が増加すると推定されている。
 このうち、雇用労働者は2,446万人(30.9%)で、その他は家内工業、不定期労働者、自営業者などであり、その数は5,401万人(68.2%)に達している。
 雇用主は73万人で、全体から見て極めて僅かに過ぎない。
 業種別(94年)では、農林漁業53.7%、鉱業0.7%、製造業10.1%、建設業3.2%、商業15.0%、運輸・倉庫・通信0.7%、金融保険・不動産3.3%、公共サービス(公務員等)12.6%、その他0.7%となっており、農業、商業、公共サービス(公務員等)に集中している。この比率は、農業が僅かに減少、逆に製造業が僅かに増加している以外は、ここ数年ほとんど変化していない。
 インドネシア経済が現在抱えている基本的重要課題は、膨大な人口と雇用問題である。
 95年末の総人口は約1億9,528万人で、年率では約1.6%から2.0%の勢いで急増しており、年々増加する新規労働力に雇用機会を与えることは容易なことではない。
 人口の都市集中化も進行しており、都市居住者(首都ジャカルタ900万人、スラバヤ250万人、バンドン210万人、メダン173万人、スマラン130万人、パレンバン120万人、その他主要都市を含め、全人口の約31%)の増加が著しい。
 特に、国土の7%を占めているに過ぎないジャワ島に約1億1,500万人(95年末)、全人口の約60%が集中(密度:1平方kmに付き869.9人)しているため、農地は細分化され、大量の零細農民と農業労働者が潜在失業人口の巨大なブールを形成している。
 また、インドネシアは21世紀には石油の純輸入国に転落すると懸念されていることもあり、石油・天然ガス依存の経済からの脱却が最重要課題となっている。
 巨額の石油収入を背景とした財政支出により、1970年代に年率8%以上の高度成長を遂げたが、80年代には石油市況の悪化により、成長率は激減した。このため、過度の石油依存からの脱却が重要な課題となり、税制改革、非石油製品の輸出拡大、民間部門の活性化など経済構造の転換が求められることになった。
 石油への依存状況をみると、ピーク時の81年には輸出総額の82.1%、81年度国内歳入の70.6%が石油・ガスの輸出や収入によるものであった。その後状況は漸次改善されてきており、石油・ガスへの依存度は国内歳入の21.8%(94年度)、輸出総額の24.2%(94年)へと低下して

 

 

 

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