
バングラデシュの国内総生産(GDP)は、購買価格で算定すると、1980〜91年の期間に実質で年平均4.3%増、1991〜92年は4.1%増、1992/93年には5.0%の増加となっている。 バングラデシュは、ガンジス、ブラマプトラ、メグナの三大河川のデルタ地帯に位置し、地味肥沃な沖積平野が国土の約80%を占めていることもあって、経済の基盤は農業に置かれている。 農業部門(林業・漁業を含む)は、1991/92年にGDPの34.5%(90/91年度は36.0%)、就業人口の約67%(90/91年度は約68%)を占め、工業も大部分が農業部門の原材料に基盤を置いており、農林水産業はバングラデシュにおける最大の産業となっている。 農業部門の主要収入源は、ジュート(黄麻)、魚介類、茶などである。ジュートおよびジュート製品は、1990/91年に全輸出収入の22%(89/90年度は28%)を占めている。 1990/91年の期間に農業生産は年平均2.7%の割合で増加した。92/93年度は4.4%の増加となった。 農業生産の最重要品目は米であるが、1億1千万人を超える人口と、不十分な灌概設備などのため、自給体制は整っていない。 農業生産は天候に支配され易く、早魅や洪水による国内での食糧生産不足を補うために、商業べ一スによる食糧輸入を余儀なくされ、国際収支の悪化をもたらすという事態が繰り返されている。 他方、伝統商品のジュートおよびジュート製品に代わって、新しい輸出品として縫製品(既製服など)、皮革および皮革製品、冷凍魚類などが登場し、全輸出収入の60%近くを占めるようになった。 バングラデシュはモンスーン期に国土の5分の1以上が水没するため、内水面漁業に適している。 また・アラビア海には約4万平方キロの大陸棚があるので、海洋の水産資源も豊富である。 漁業はGDPの3%を占めているに過ぎないが、国民の蛋白質摂取量の80%は魚類に依存している点で重要である。また、エビを中心とした水産物は、バングラデ
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