
現在では、発電用機械、鉄道車両、道路輸送機械、通信機械などの分野で、需要の大部分を国産品で満たすことが可能である。 特に、砂糖・セメント機械、動力ポイラー、荷役機械、その他多数の耐久消費財については、既に自給で賄っている。 インドの工業発展における特徴は、公共部門の急速な拡大である。これら公共部門の企業は、鉄鋼、アルミニウム、銅、重機械、軽機械、肥料、基礎化学品、医薬品、石油製品、機関車、航空機、船舶などを生産している。 インドの主要エネルギー源は、石油および石炭であり、鉱物性燃料の輸入は輸入総額の27.4%(1991/92年)を占めている。 産業発展の基礎となるエネルギー供給を、電力で示すと、発電量は1950年代の70億KWhから90年代に入ると2,600億KWhを超える水準に達している。 貿易関係では、1947年の独立以降のインドの貿易構造は、一次産品を輸出し、工業製品を輸入するという植民地貿易型から大きな変化を遂げた。 1950年代の主要輸出品は、茶、綿花、ジュートの3品目で輸出総額の大半を占めていたが、やがて輸出品の多様化が進み、衣類を中心とした繊維製品、宝石・同加工品、鉄鉱石、魚介類などのシェアが拡大し、かつて大半のシェアを占めた3品目は、輸出総額の26.5%(1991/92年度)のシェアに縮小している。 輸入も、機械、輸送機器、石油・同製品、化学肥料・同原料などが中心で、食糧輸入は収穫不良期の例外措置として、食糧自給をほぼ達成している。 1991/92年の主要輸出品目は、宝石、既製服、化学品・同製品、工業製品などであり、主要輸入品目は原油、石油製品、真珠、貴石・半貴石、無機化学品、一般機械などである。インドの主要輸出相手国は、1991/92年では米国が総額の16.4%で首位を占め、次いで日本、ロシア、ドイツとなっている。 一方、同年におけるインドの主要輸入市場は、米国(10.3%)が第1位で、次いでドイツ、サウジアラビア、ベルギー、日本の順となっている。 1991/92年度の貿易収支は、前年度の赤字額106,396百万ルピーから38,090百万ルピーへと大幅に減少したことにより、経常収支の赤字は約36億ドルに縮小した。
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