日本財団 図書館


シンガポール

(1)一般事情

シンガポールは、国土が約641.4平方キロで、わが国の淡路島ぐらいの小さな面積である。
 人口は約299万人(1995年6月推定)で、中国系(77.4%)、マレイ系(14.2%)、インド系(7.2%)、その他(1.2%)の人種から成っている。
 言語は、英語、中国語、タミール語およびマレー語を公用語とし、国歌など限定的にマレー語を国語として使用している。
 宗教は、仏教、道教、キリスト教、回教、インド教などの信徒がいる。
 シンガポールは天然資源に乏しく、国内必需品の殆ど全てを輸入に依存している。シンガポール経済の今日の発展の成功は、(1)中継貿易(マレーシアやインドネシア産の生ゴム、木材、こしょう等)、(2)石油製品および機械機器の輸出(地場輸出総額の65%以上を占めている)、(3)港湾(国際海上交通の要衝に位置している)などに負う所が多い。運輸、通信、倉庫、金融、観光などを含むサービス部門は、外貨の獲得および貿易赤字の補填に重要な役割を果たしている。
 世銀の推定によると、1992年におけるシンガポールの国民総生産(GNP)は、1990〜92年の平均価格をべ一スにして算定すると、443億1,500万米ドルであり、国民1人当り15,750米ドルに相当する。
 1985〜92年の期間に、国民1人当りのGNPは、年平均実質5.9%の割合で増加したものと推定される。
 この期間(85〜92年)に、シンガポールの人口は年平均1.8%の割合で増加している。
 シンガポールの国内総生産(GDP)は、1980〜91年の期間に年平均実質6.6%の割合で増加している。
 農業部門(林業・漁業を含む)は、1993年にGDPの僅かO.2%を占め、就業労働人口の0.3%(92年)がこの部門に従事しているに過ぎない。
 主要農産物は、果物と野菜である。
 1980〜91年の期間に、農業部門のGDPは年平均6.6%の割合で減少した。
 工業部門(鉱業、製造業、建設業および電力事業を含む)は、1993年にGDPの約34.9%を寄与し、就業労働人口の34.6%が、この部門に従事している。
 工業部門のGDPは、1980〜91年の期間に年平均5.8%の割合で増加した。
 鉱業(主として花崗岩の採石)は、GDPの僅か0.05%(93年)を占め、就業人口の0.03%がこの部門に従事しているに過ぎない。
 製造業の対GDP寄与率は26.2%(93年)であり、就業労働人口の27.0%がこの部門に従事

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION