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マレーシア

(1)一般事情

マレーシアは、国土面積が約33万平方km(日本の約O.9倍)、人口が約1,950万人(94年推定)、このうち首都クアラ・ルンプールが約120万人である。人種別にみると、マレイ系(約61%)、中国系(約30%)、インド系(約8%)、その他(約1%)から成っている。
 言語は、マレイ語が公用語であるが、英語も広く一般に使用されており、また、中国語、タミール語、イバン語なども少数民族によって使用されている。
 宗教は、イスラム教徒が大多数を占め、その他仏教、儒教、インド教、キリスト教などの信奉者がいる。
 マレーシアは、典型的な複合民族国家であり、マレー系民族は、その約80%が農村部落に居住し、主に農林漁業に従事し、中国系は半数以上が都市に集中し商工業を営み、大企業家や商店経営者となっている者が多い。インド系は、主として農園でゴム栽培に従事している。
 マレーシア経済は、このような各人種の協力と融和によって支えられており、社会・政治情勢も他の東南アジア諸国と比べ遥かに安定している。
 世界銀行の推定によると、1992年におけるマレーシアの国民総生産(GNP)は、1990〜92年の平均価格をべ一スにして算定すると、519億1,700万米ドルであり、国民1人当り2,790米ドルに相当する。
 1985〜92年の期間に、国民1人当りのGNPは、年平均実質5.7%の割合で増加している。
 この期間にマレーシアの人口は年平均2.5%の割合で増加している。
 マレーシアの国内総生産(GDP)は、1980〜91年の期間に年平均実質5.7%の割合で成長を遂げた。
 農業部門(林業および漁業を含む)は、1993年にGDPの約15.5%を寄与し、同年における就業労働人口の約21.4%が、この部門に従事している。
 マレーシアの重要な自給農作物は米であるが、国内需要の約60%(91年)を満たすに過ぎない。
 マレーシアは、、パーム油の世界的大生産国である。また、天然ゴムも世界的な大生産国であったが、1993年にはタイとインドネシアの両国が、マレーシアの生産水準を上回った。
 パーム油およびゴムは、輸出総額(92年)のそれぞれ5.2%、2.3%を占めている。その他重要な換金作物は、ココア、こしょう(胡椒)、ココナツ、茶、パイナップルなどである。
 木材は、政府の国内資源保護政策による規制にもかかわらず、依然として重要な外資収入源であり、輸出総額の3.7%(92年)を占めている。
 1980〜91年の期間に、農業部門のGDPは、年平均約3.7%の割合で増加している。

 

 

 

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