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 製造業の伸び率は、93年には92年とほぼ同じで、前年比10%増と高い伸び率を記録した。
 生産増の著しかったのは、自動車・輸送機器24.8%増、建設資材21.4%増、石油製品14.3%増、飲料11.9%増などであった。その他、ブラスチック製品、ガラス、電気機械、コンピューター部品、半導体、宝石などの生産も活発であった。食品は、砂糖、パイナップル缶詰、マグロ缶詰などの伸びが大きかったが、タバコ、繊維・織物、衣料などの伸びは緩慢であった。
 サービス業(運輸・通信、商業、銀行・金融業、観光業などを含む)は、GDPの48.4%(91年)を占め、就業人口の21.4%がこの部門に従事している。
 観光事業は、タイ国にとって重要な外貨収入源であり、1993年の外人観光客数は約540万人、観光収入は約1,130億バーツ(93年末現在:1,000バーツ=39.2米ドル)に達している。
 サービス部門のGDPは、1980〜91年の期間に年平均8.0%の伸びを示した。
 貿易関係では、1980年代後半以降の工業化の急速な進展により、貿易量は85年から5年間に輸出は約2.8倍、輸入は約2.7倍に急増した。
 94年も輸出が前年比21.1増、輸入が同17.2%増と大幅な拡大基調が続いている。
 タイの貿易構造は、1980年代後半に著しく変化した。輸出面では、製造品のシェアが86年の55.8%から90年は75.5%へ上昇、94年には81.1%に達している。一方、農産品のシェアは86年の34.3%から90年は17.1%へと低下、94年には11.4%に低下した。
 輸入面では、投資拡大による原料・中間財及び資本財の輸入が増加したため、これらの輸入に占めるシェアは高い水準にある。特に資本財は、輸入総額の45%(94年)を占める高水準が続いている。
 1994年におけるタイの輸出は438.4億ドル、輸入は534.0億ドルで、貿易赤字は前年の87.8億ドルから95.6億ドルヘと増加し、経常収支は85.0億ドル(前年は72.4億ドル)の赤字を記録した。
 1994年におけるタイの主要輸入相手国は、日本(タイ輸入総額の約22%)が第1位を維持し、次いで米国、シンガポール、ドイツ、台湾、韓国、マレーシアの順となっており、同年におけるタイの主要輸出市場は、米国(タイ輸出総額の約30%)が首位の座を確保し、これに日本、シンガポール、香港、ドイツ、英国の順で続いている。

 

 

 

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