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 シンガポールの国内総生産(GDP)の成長率は、88年には実質で11.0%と15年来最高の伸びを記録した。
 製造業部門が87年を更に上回る18.4%と引続き部門別トップの成長率を記録し、経済成長に大きく寄与した。電子・電気両分野の製品および部品の生産(前年比30%増)、輸送機械(同21.1%増)、あるいは石油精製などの成長が目立った。
 商業部門の成長率も88年は16.9%増と21年来最高の伸びを示した。
 その他の部門では、運輸・通信が前年比10.2%増と2けたの成長をみせたが、農漁業、鉱業、建設業は、いづれも、前年比マイナス成長が続いた。
 しかし、超大型景気を反映して、製造業を中心に労働需給が極度に逼迫し、労働者不足が深刻化している。
 88年のシンガポールの輸出は、前年比31.2%増の790億5,100万シンガポール・ドル、一方輸入も前年比29.0%増の882億2,700万シンガポール・ドルと前年を上回る伸びをみせた。この結果、貿易収支の赤字幅は、前年の81億4,900万シンガポール・ドルから91億7,600万シンガポール・ドルへと拡大した。
 主要相手先との貿易収支は、対日が125億3,670万シンガポール・ドルの赤字、対マレーシアが22億760万シンガポール・ドルの赤字、対ECが3億6,010万シンガポール・ドルの赤字、対米は51億760万シンガポール・ドルの黒字となっている。
 88年の主要輸出先は、米国(輸出総額の23.8%)、マレーシア(13.6%)、EC(13.0%)、日本(8.6%)で、この上位4市場で全体の約40%を占めている。
 他方、主要輸入先は、日本(輸入総額の21.9%)、米国(15.5%)、マレーシア(14.7%)、EC(12%)などとなっており、これらで輸入総額の64%を占めている。

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