空中線部への接続部分に導波管や同軸ケーブルの重量が加わると、空中線部の接続面が破損するおそれがある。このため、導波管や同軸ケーブルは、これらに無理がかからないようにしながら確実に固定する必要がある。 導波管の固定や指示に金具(金属製のもの)を使用する場合には、電食防止のために亜鉛テープを巻くか、又は合成樹脂製のものを使用し、かつ、金具の締付けにより導波管がつぶれないように注意すること。締付けねじは、さび止めのためステンレス製のものを使用した方がよい。 (3)導波管の内部への浸水により、感度の低下があると判断されるときには内部点検を行い、修復後は必ず気密試験を行って確認すること。 気密試験の要領は、前4・3・1項の〔注〕と同じなのでこれを参照されたい。 4・4 送受信機の点検整備
新設時および定期の点検整備要領 主として送受信機の変調部と高圧部を中心に、次の項目の点検整備を行う。 (1)各ユニットの汚れは乾いた布で清掃する。特に通風口やフィルタは綿ごみ等で目詰まりを起こしやすいので、電気掃除器で吸い取るかあるいは吹き飛ばしながら柔らかい布や羽毛、筆等で清掃する。 端子板や部品密度の高い部分および高圧部のごみも入念に取り除き、汚れているところは四塩化炭素やアルコールでぬぐう。 (2)高圧部の配線の被覆に破れや焼け焦げはないか。 (3)パルス幅切替え用などのリレー接点に汚れや焼損などはないか。 (4)ファンモータの取付けや、ねじに緩みなどはないか。 (5)立体回路の取付けや、ねじに緩みなどはないか。 (6)チェックメータの指示値を常に観測し、異常の発見に留意すること。 (7)マグトロンとTR管は通常1,000〜2,000時間、ART管は通常2,000〜3,000時間を使用期間の目安として、早めに交換することが望ましい。 マグネトロンは強力な磁石が付いているので、帯磁を嫌う腕時計や金属、航海計器などを近づけないように注意すること。永久磁石付きのマグネトロンは外部へ磁力線が漏れていることが多いので、電気計器や航海計器から5〜10cm(小形マグネトロン)又は30cm(大形マグネトロン)以上離して、かつ落下させないように確実に保持し、保管すること。
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