日本財団 図書館


 

へ落とす。専用の接地線が付いていないときは、固定用のボルトを利用する。
接地の意味は前述のように漏れ電流による感電防止と、電波雑音の防止のためである。
3・1・4 完全防水とするための注意
空中線の浸水の原因の一つは呼吸作用による水の吸い込み現象である。空中線は屋外装備機器なので温度の差の影響を一番大きく受ける。つまり、雨などに当たって外面が濡れ、そこに風が吹くと気化熱が奪われて急激に冷やされるので、空中線内の空気の体積が縮まって負圧になる。レーダーによっては空気穴を設けたものもあるが、呼吸による内部への結露を避ける意味で完全密閉に近い構造もある。密閉構造のものの内部が負圧になると、どこかに透き間があれば当然吸い込みを起こし、雨か海水が内部に浸入してくる。一度入った水はほとんど出ていくことはなく、故障するまでたまっていく。したがって、ペデスタルカバーの締め忘れなどはいうに及ばず、その他工事上の細かい注意が必要となる。
(1)水防栓口は3・6・2(4)にしたがって処理すること。要点は、ケーブルの処理を確実に行い、ケーブルに合った栓口部品を使い、専用工具を用い確実に締め付けることである。締付け後(油性)パテを詰め込むこと。
(図3・2参照)

155-1.gif

図3・2水防栓口組立後の防水処理

(2)導波管は装備要領書に従い、接続フランジ部には規定のガスケットを溝に入れ、挟み込みのないことを確認してから、ねじ止めをする。指示のある場合は、一〜二箇所のフランジ部にテフロンシートを封入する。
装備後、できればシリコンゴム系コンパウンドをフランジ接合部とねじ部の周囲にまんべんなく塗っておく。コンパウンドを塗付する場合は、塗布面(部)はできる限りよく脱脂しておくこと。
(3)ペデスタルカバーの周囲は通常ガスケットが入っていて、そのまま締め付ければ簡単に水密がとれるようになっているが、締付けねじは一箇所だけ締

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION