図6・4がオペアンプの記号と2個入りのICの端子配列であるが、図面上では電源回路を省略していることが多いので注意すること。オペアンプには数千種もの種類があって、更にその種類は増加していく傾向にある。したがって、表6・1に示したいろいろなアナログIC全体での種類は数えきれないものとなる。これらは、それぞれのメーカー別に各種の規格表(例えばCQ出版社一最新半導体規格表シリーズ等)が出されているので、それによって、どのような働きをするICかをみる必要がある。また、ICの名前やそれに使われている記号は、一定の法則はあるものの、これもメーカーによって異なる場合もあるので、カタログを参照した方がよい。
アナログICの一例として、レーダー受信機の中間周波増幅部に使用されているTA7074Pを示す。図6・5がその外形であり、表6・2に最大定格を、また、表6・3にその電気的特性を示している。このICは図6・6に示すような回路と等価の動作をし、実際に使用するときには、もう1個のIC TA7076Pなどと組合せて、図6・7に示すような回路で使用する。
この図の回路の左側の2個のトランジスタで、ここで50dBの増幅がなされ、IC-1のTA7074Pでは、そのあとにあるT1などで構成される共振回路との動作により、45MHzの1F周波数で通過帯域幅12MHz、総合利得90dBを得る。IC-2のTA7076Pには、検波機能も併せて持たせてあり、出力としてトランジスタQ2にビデオ信号が加えられる、という動作になる。