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5・26(a)の信号電圧が加わると、(+)の電圧のときは動作点が上がり、べ一ス電流が増して、コレクタ電流も増すので、出力電圧の振幅が増加する。一方、(−)の電圧のときは動作点が下がり、べ一ス電流が減り、コレクタ電流も減るので、出力電圧の振幅は減少する。すなわち変調入力電圧の(+)(−)により増幅回路の増幅率が変動し、出力は図5・26(c)のように振幅変調されることになる。変調された搬送波のことを被変調波と呼ぶ。被変調波の頭を接いだ包絡線には信号電圧波形がそのまま現れている。

 次に単側波帯振幅変調回路について述べる。単側波帯(SSB)方式の変調回路のうちよく利用されるものは図5・30に示すように振幅変調器と単側帯波抽出用帯域フィルタから構成されるもので、振幅変調器としては主にリング変調器と呼ばれる搬送波抑圧変調器(図5・31参照)を用いであらかじめ搬送波を除き、フィルタの機能を側帯波間の分離にとどめフィルタに対する要求を緩和する方法が普通用いられる。

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 単側波帯振幅変調と両側波帯振幅変調の送信機における大きな相異は送信機回路における変調器の位置である。両側波帯送信機の場合は、搬送波を出力の電力まで比率の良いC級増幅器(非直線性)を使って増幅し、最終的に変調を掛けることができる。単側波帯においては図5・30に示すように高い搬送波周波数帯で動作する急峻なしゃ断特性を持つフィルタが必要で、このフィルタが余り大きな電力を扱うものができないので、電力の低い所で変調を行い、所要電力まで増幅する必要がある。そのため増幅器には直線性(入力

 

 

 

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