日本財団 図書館


ランジスタを用いたディスクリートの部分で回路を組むよりICの利用が多くなってきている。又オペアンプ(演算増幅器ともいう。)を使って簡単に所要の特性を得ることができるので、オペアンプも多く利用されている。ここではオペアンプを用いた増幅器の動作原理と基本構成について述べる。

オペアンプは増幅器に必要なトランジスタ、抵抗素子等を1チップ内にIC化したもので、通常は図5・9の記号で表されるような差動入力と1出力の形式のものが使われる。図5・9には直流電源が省略されているが実際の回路では当然必要である。オペアンプの基本回路構成は、まず初段は差動増幅回路で差動増幅を行い、次に電圧増幅回路により必要な利得が得られるまで増幅した後、出力段のエミッタ・フォロアで低出力インピーダンスを実現している。なお、特に高大カインピーダンスを実現するためにトランジスタの代わりにFET(電界効果形トランジスター)を用いたものもある。初期の頃のオペアンプは利得の周波数特性を補償するための補償用端子が設けられ、この補償用端子に適当なRC素子を接続して周波数特性を改善する外部補償型のものもあったが、これは手間が掛かり個々のオペアンプに対し最適のRC素子を選びだすことは非常に困難なので最近では超高速用あるいは超高周波用などの特殊な場合を除いて内部補償型のものが多くなっている。内部補償型のオペアンプは正及び負電源用端子(1電源型のものもある)、(十)及び(一)入力端子、出力端子と場合によってはオフセット電圧調整端子があり、これらの端子を必要な箇所に接続するだけで増幅器として動作する。また、1チップ内に2個のオペアンプをIC化したデュアル型オペアンプ4個のオペアンプをIC化したクワッド型オペアンプもある。

[[イ霖?] 085-



1.gif

次にオペアンプの特性を表す主なものは次のとおりである。

 

 

 

前ページ     目次へ    次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION