もっぱら方形導波管が使用されているので、ここでは方形導波管についてのみ述べる。
導波管の中は中空で、前節の同軸ケーブルとは異なって、導線ではないので,2本の線によって電気を伝えるという考え方を執るわけにはいかない。それでは、導波管の中を電波がどうして伝わるかというと、これは、ちょうどロランやオメガの電波が地球面と電離層の間を反射しながら遠方まで届くのと同じようにして伝わると考えるのが一番理解しやすいであろう。
この場合、管の中には図3・5の(a)と(b)に示すように二つの電波が進んで行くと考える。前に図3・3で示したように電界と磁界は直交しているが、この場合は、電界は紙面に垂直に(●と◎で表示)、磁界は紙面に並行であるとする。
こうすると、(a)(b)の両方の進行波の合成は同図の(c)のようになり、この電界と磁界がからみあって管の中を進んで行くことになる。