この場合、測定には、先端のとがった銅の圧着ピンを使い、整流子面の酸化被膜を突き破って測定する。
(2)電圧降下法
ブラシを通し、定格電流の15%以下の電流を流し、ブラシにより短絡されている中央部のセグメント上で正しく1極間隔当たりの電圧を測定し、抵抗を求める。
図2・16 バー圧着法による電機子抵抗測定
(3)圧着バーを使う方法(バー圧着法という)
ダブルブリッジのリード線をはんだ付けした圧着用バーを使い、セグメント間の面取り部分で図2・16のように測定する。
波巻、均圧線をもつ重ね巻の場合は測定値をそのまま採用してよいが、、均圧線をもたない重ね巻の場合はブラシを全数整流子面から上げ、1極対間の測定で得た値を次の式により補正する必要がある。ブラシを降ろしたままで測定すると大きな誤差の原因となるので注意すべきである。
ここに、
R;補正された電機子抵抗(Ω)
P;極数
R0;ブラシを上げたときの測定値(Ω)
この方法によれば、整流子表面の酸化被膜の影響がなく、また、圧巻方法による誤差が非常に少なく他の方法に比べて最も精度が高く、信頼性に富む。
2・3・4 無負荷特性の測定
(1)発電機の無負荷飽和特性
発電機の巻線が設計どおりになっているかどうかを検討するため、界磁電流に対する誘起電圧の関係を調べる。
(a)発電機法
発電機を無負荷とし、駆動機で一定速度で運転し、界磁電流に対する誘起電圧を測定する。これを図2・17に示し無負荷飽和特性曲線という。なお鉄心はヒステリシス特性を持っているので、界磁電流の可変は上昇方向のときは上昇方向のみ、降下方向のときは降下方向のみで行うこと、誘起電圧は回転速度に比例するので、多少異なるときは補正することができる。
図2・17 発電機法による無負荷飽和曲線
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