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(8)試験前に電源設備、被試験機との直結状態、負荷設備、関連設備の状態を点検し、危険な箇所を発見したら即刻処理する。
(9)導電体部分の作業を始める際は検電器で通電していないことを確かめる。
(10)配線はなるべく負荷先端から始め、電源への接続は最後に行う。
(11)PT、CTの取扱い及び接続は入念に行い、特にPTの二次回路は他の回路と混触しないように注意し、その一端を接地する必要がある。
(12)電気機器は完全に所定の接地が行われていることを確認する。特に、軸電流防止板やゴムクッションのあるもの、あるいはフレームが丸形のため試験用木わく上で試験するものは、接地を忘れがちであるから十分注意する。
(13)導電部分の露出箇所はできる限り絶縁する。もし、絶縁が行えない場所は安全保護さくかロープなどで人が近づかないように危険標識を行う。
2・1・5 試験に必要な計測器
電気機器の試験を行う際必要な計器には、一般指示電気計器・計器用変成器・温度計などのほか、種々の特殊計器が挙げられる。とくに、迅速・正確に試験を進めるには、どのような計器・装置を使えばよいのかを検討し、またその動作特性・確度及び使用方法を熟知することが必要である。
次に一般に使用される計器について、必要な注意事項を簡単に述べる。
(1)指示電気計器(JISC1102)
電圧計・電流計・電力計・周波数計・力率計などがあるが、通常の試験には精密測定用(0.5級、許容差は定格値の±0.5%)計器を使い、規格に示した許容範囲を十分確認できるものとする。試験に使う計器は正確に校正したものでなければならない。
(2)計器用変成器
電力を直接指示計器で測定できるのは200V,10A程度までであり、通常、計器用変圧器(PT)及び変流器(CT)を使って測定する。
なお、変圧器や誘導電動機の突入・始動電流の測定や電気機器の保護継電器の動作試験などでは、CTを過電流で使用するが、試験にあたっては、使用するCTの規則や規格に定められた定格過電流強度に注意する必要がある。
長期間未使用の計器を使うときは絶縁劣化のおそれがあるから、十分に点検・調査したのち使うようにする。
PTを使う際、二次側の非接地線に電灯回路の非接地線がなんらかの原因で接触すると、高電圧側に高電圧を誘起するので高電圧側はもちろん、低電圧側の配線も慎重に行い、なるべく他の回路と混触しないよう区別する必要がある。
CTの二次側の試験用配線は、なるべく接続箇所をなくし、絶対に開放しないようにしなけれぱならない。

 

 

 

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