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て広く採用されている。
2・13・9 ソナー
ソナー(SONAR)はSound Navigation and Rangingの略であって、広い意味では音を航海の目的に利用することの総称である。普通ソナーは垂直ソナーと水平ソナーに分けられ、前者は音響測深機や魚群探知機と言われ、一般にソナーとは後者を意味している。ソナーは自船の全周囲又は扇形角度範囲にわたって放射された超音波が目標物に当って返ってくる反射波を受信して、目標物の方向と距離を測定するものである。
2・13・10 トップランナー
船底から超音波ビームを船の前後及び斜め又は左右斜め下方に発射すると、これらが海底に当って反射波が返って来るが、この反射波の周波数と発射周波数との差は船速に比例して変化し、かつ、差の正負符号は船の前後、左右の動きの向きによって変る。トップランナーはこの現象、即ちドップラ効果を利用して対地速度を計測する装置で、出入港又は接岸の際に船の運動状態を正確に把握し、操船を容易にする目的で使用される。
通常の装置では使用深度は200m程度で、発振超音波は300〜450Hzの範囲のパルス波が使用されている。なお、装置によっては対地測定可能の深度を超えると、深層の海水塊よりの反射波を受信して対水速度を指示できるものもある。
2.13・11 無線方位測定機(方向探知機)
無線方位測定機は、陸上あるいは他船からの電波の到来方位を船上で測定して、その送信局の方位を知り、2局以上の陸上送信局の電波の方位測定ができれば、それによって船の位置を求めるものである。無線方位測定機には、ループ空中線を回転して電波の到来方位を求める方式と、直交ループ空中線とゴニオメータを使って、空中線を回転させない方式がある。
2・13・12 ロラン受信機
ロランは(LORAN:Long Range Navigationの略)長距離航法援助方式の一つで、双曲線航法方式として知られている。即ち、二つの互いに同期して送信している送信局からの電波の伝ばん時間差或いは位相差を測定して、2局を焦点とする双曲線を位置の線として求めるもので、船位の決定には2対の組局について測定を繰り返して、2本の双曲線の交点として位置を求めるものである。なお、ロラン航

 

 

 

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