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備考:電機子反作用とは電機子巻線に流れる電流によって、そこに起磁力が発生し、この起磁力のため界磁の磁束をゆがめたり、減じたりする作用をいう。
(b)直巻電動機
本電動機では励磁起磁力として主回路電流を用いているため、端子電圧一定の場合には無負荷状態になると逸走してしまう。したがって、この電動機はかなりの摩擦負荷損を有する負荷に限って使用してよく、しかも負荷との連結は決して外れることのない直結接手、歯車などによらなければならない。
(c)複巻電動機
本電動機は分巻電動機と直巻電動機の中間の特性を有し、分巻電動機の始動トルクの小さいのを補償し、一方、直巻電動機の軽負荷時の過速度の危険を排除する。複巻方式は和動複巻(図8・7に示す特性のもの)と差動複巻線の2方式があるが、後者は始動トルクが小さく、また、重負荷で速度が上昇するので殆んど使用されない。
2・8・4 直流電動機の始動及び速度制御
(1)始動電流
8・1式から次式が誘導される。
V−Ia・r=nkφ
したがって電機子への電流Iaは、

147-1.gif

で示される。8・2式中のnkφは電動機の回転速度に比例して電機子回路内にV発生する逆起電力の値に相当し、静止の状態ではn:0であるから

147-2.gif

となる。電動機内部の電機子回路の抵抗rは非常に小さいので、全電圧始動すると非常に大きな電流が流れ電動機を傷損する恐れがあるので、始動の際は極く小容量の特殊の電動機を除き、一般には始動抵抗器を電機子回路に挿入し、突入電流を制限する。次式8・3は始動抵抗Reを加えた場合の始動電流を示す。

147-3.gif

 

 

 

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