日本財団 図書館


 

することができない。それでφを打ち消すためにPコイルに一次負荷電流I’1が流れる。このI’1によってI’1N1の起磁力が生じ磁束φが生じる。
このφ1はφ2と反対方向で磁束φ2を打ち消すので磁束φのみが鉄心を通ることになる。故に一次と二次の起磁気力は等しく次の式が成り立つ。

070-1.gif

一次側に流れる一次電流I1は一次負荷電流I’1と励磁電流Ioとのベクトル和であるからI1=I1+Ioとなる。ここで励磁電流Ioは小さいので無視すると

070-2.gif

 

2・3・4 極性及び端子記号
変圧器の極性とは、その端子に現われる誘起電圧の相対的、時間的の方向を表す。変圧器の電圧は供給電圧の周波数に等しい変化をしているものであるが、ある瞬間を考えれば電圧の方向は一定であるから、ただ1個の巻線を考えると極性の必要はないが同時に2個以上を考える場合には極性は極めて重要である。一次側をU1V1、二次側をU2V2としてときUV間に適当な電圧を加えU1U2を接続してV1V2間の電圧が一次電圧と二次電圧の和が表れる場合を加極性、差が現われる場合を減極性という。船舶のみならず一般に減極性が用いられる

070-3.gif

 

2・3・5 インピーダンス電圧
変圧器に定格電流を流すときの一次及び二次巻線中のインピーダンスによる電圧降下(変圧器内部の電圧降下)をインピーダンス電圧という。実際に測定するには

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION