
クで上昇し、前に吸入した空気を圧縮して高熱となりながら圧縮が行われる。(C)のように第2回転の前半即ち第3ストロークに入る瞬間、燃料が噴射されて高圧ガスの燃焼膨張によって動力が発生し、ピストンは下降する。次に(D)のように、第2回転の後半即ち第4ストロークにおいて燃焼した排ガスを排出して、次の第1ストロークを待つことになる。これで2回転中4行程が行われて完了するが、この行程が順次繰返されてエネルギーをクランクシャフトに伝えることになる。これを4サイクル機関という。出力は1シリンダあたり、1000PS位が最大である。 (4) 2サイクルディーゼル機関の動作 
図22 2サイクルディーゼル機関
図22にみるように、(A)の第1ストロークのはじめに近い位置から第2ストロークのはじめにおいてピストンが上昇するとき、シリンダ頭の空気入口弁が開いて、また、シリンダ壁にある排気口も開いたままであるので、新鮮な空気がシリンダ内に入り、シリンダ内の燃焼ガスが同時に排除される。空気入口弁からの新鮮な空気は大気圧より僅かに高い圧力の空気である。次に(B)のように第1ストロークの後半になると排気口はふさがり、また、空気入口弁も閉じているので、この間に空気が圧縮され、シリンダ内の空気は高圧と高熱になる。(C)のように第2ストロークの終りにおいて燃料の噴射が行われ、その燃焼・膨張によって動力が発生する。次に(D)のように、第3ストロークの終りに近づくにつれ、排気口が開くので、シリンダ内の燃焼ガスは、急に大気中に放出される。排気口がある程度まで開いたところで、シリンダ頭の空気入口弁が開いて新鮮な空気を送り、燃焼ガスの排除を助ける。これで1回転2ストロークで完了するので2サイクルディーゼル機関という。この行程が繰返されてエネルギーをクランクシャフトに伝える。出力は1シリンダあたり、5,500PS位が最大である。 (5)過給機(Super Charger) ディーゼル機関の付属として、過給機があげられるが、これは最大限に空気をシリンダー内に送り燃焼効果を高めまた燃料の消費を少なくするためのものである。今日では4サイクル機関は勿論のこと、2サイクル・ターボ過給機関ができている。過給機は機械駆動によるものと
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