
1・4 船舶のトン数の種類
船の大きさを表す単位をトン(ton)といい、大別して船の容積を表すトン数と船の重量を表すトン数の2種類に分けられる。これらトン数は種々の税金や手数料などを定める基準とされる。 1・4・1 容積トン数 船の容積を示すトン数については、船舶のトン数の測度に関する法律及び関係法令にその測り方、計算法が詳細に定められている。 (1)国際総トン数 主として国際航海に従事する船舶についてその大きさを表す指標となるもので、船舶の閉囲場所の合計容積を算定し、この容積に定められた係数を乗じて算出した数をいい、国際航海に従事する長さ24m以上の船舶は国際トン数証書をもたねばならない。 (2)総トン数(gross tonnage G.T.) 我が国における海事に関する制度において、船舶の大きさを表すための主たる指標となるもので船舶の閉囲場所の合計容積を算定し、この容積に定められた係数を乗じて算出したトン数をいう。 (3)純トン数(net tonnage N.T.) 旅客又は貨物の運送の用に供する場所とされる船舶内の場所の大きさを表す指標となるもので貨物倉、満載喫水、旅客定員から算出する。 1・4・2 重量トン数 (1)排水トン数(displacement tonnage)又は排水量(displacement) 船舶の水面下の体積と同容量の排除した水の重量は、アルキメデスの原理により、船の重量と等しいが、この重量をトン数で表したものを排水トン数又は単に排水量という。計算方法としては、上記の体積をメートル単位で計算し、淡水ならばその比重1、海水ならばその比重1,025を棄ずれば排水トン数が求められる。なお、船舶に貨物、旅客、燃料、食料等を満載した場合のトン数を満載排水トン数又は満載排水量といい、これらを積まない場合のトン数を軽荷排水トン数又は軽荷重量という。自衛艦などの大きさを表すときに用いる。 (2)載貨重量トン数 船舶の航行の安全を確保することができる限度内における貨物等の最大積載量を表すための指標となるもので、人又は貨物その他定められた物を積載しないものとした場合の排水量と基準喫水線に至るまで人又は物を積載するものとした場合の当該船舶の排水量との差をトンにより表したもので、普通貨物船の大きさを表すのにこれを用いる。 1・4・3 貨物船における各種トン数の割合 上記において述べたようにトン数には種々あるが、船の種類により言い表し方が一応決ってい引例えば、軍艦では排水トン数、客船では総トン数、貨物船では載貨重量トン数というように
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