(b)いかだに直接組込む艤装品は、いかだ本体の漏洩試験が終ってから所定の位置に確実に取付ける。
(c)以上の点検が終ったら、補充、交換した艤装品はすべて記録し最後に再確認すること。
(4)艤装品の個装(高所用いかだのみに適用)
各部個装は、メーカーによって高所用の艤装品の保護方法が異なるので整備規程に従い個装してから艤装品袋に収納する。
2−6 膨脹状態での点検及ぴ試験
(1)試験準備
(a)試験場所
敷物等を敷いた室内の平坦な床上で作業を行うこと。膨脹したいかだの移動、運搬、反転には、いかだの周囲に均等に人を配して、局部的に重量が加わらぬように注意し、いかだを引きずってはならない。
(b)器具
膨脹はコンプレッサーからの圧縮空気を使用するが、その圧縮空気は水分及び油分を含まず、温度も室温と同様であることが望ましい。そのためにコンプレッサーからのホースはなるべく長くし、あるいは空気溜を設けるとよい。漏洩試験時の室温は特に規定していないが、試験前後の気室温度の変化が3℃を超えた場合は、その試験を無効としやり直すことになるので、室温、いかだ気室表面温度及び圧縮空気温度等の温度差の変化に注意することが必要である。
気室内圧測定は水銀柱マノメータ又は水マノメータを使用して測定するが何れのマノメータもスケールの目盛は度量衡検定済みのものであること。
(2)膨脹状態の点検
(a)本体外観点検
コンプレッサーからの圧縮空気を乾いた白布で潰し、油・水の混じっていないことを確かめ、主気室内圧を約130mmHg(1,768mmAq)に、床気室内圧を設計内圧の約1.1倍に膨脹させた状態で、内外から天幕布、上下気室相互及び主気室の接着部、補強テープ等のしわ、ずれ、はがれ等劣化の徴候のないことを確かめる。もし異状があれば修理基準に照らして修理し、20時間以上放置した後再点検する。(安全弁付いかだの場合は安全弁は閉止しておくこと。)
(b)安全分予備作動試験
主気室を徐々に加圧し、安全弁から空気が吐出したときの圧力を測定し、充気を止めて安全弁から空気の放出を続け、吐出が停止した圧力を測定し、基準に適合することを確かめる。
いかだに係る諸試験の順序を図示すれば次のようになる。