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3.2波浪情報の比較

衛星により求めた有義波高分布と波浪推算モデルによる有義波高分布を比較する。前節で見たように、全球的な有義波高分布は定性的にはよく一致している。ここでは、衛星データと波浪推算結果との違いについて検討する。図3.4は1987年、1988年、1989年、1993年、1994年の5年間の年平均有義波高分布図である。上図が衛星(Geosat, TOPEX/Poseidon)であり、下図が波浪推算モデルによるものである。
図3.4から、両方とも定性的な波高分布はよく一致している。両者の異なる点を見ると、
1)Geosat衛星による波高分布では、本来波高が小さくあるべきである、陸地の周辺部で高波高域が現れている。これは、陸地のデータがノイズとして平均値に紛れ込んだためであると思われる。TOPEX/Poseidon衛星では、この部分のデータは除去され欠測となっている。
2)有義波高値が、衛星データは波浪推算データと比較して小さく求められている。北太平洋海域で表示ランク1つ分低く表示される。量的にはおよそ50cm低くなっている。これは、TOPEX/Poseidon衛星においても同様であり、量的な差も同じである。
3)南極周辺海域においても、Geosat衛星は同様である。しかし、TOPEX/Poseidon衛星ではその差は小さくなっている。
図3.5は1987、1988、1989(1-9月)、1992(10-12月)、1993、1994年の5年間について、月別の平均有義波高分布を求めたものである。上図が衛星(Geosat-TOPEX/Poseidon)であり、下図が波浪推算モデルによるものである。
1月から12月の毎月の有義波高分布から示されることとして、
1)波高分布の季節変化は、図3.1、3.2で示されたものと同様である。
2)月別で見ても、衛星により求めた有義波高値は波浪推算モデルによる値より小さく示される傾向がある。その傾向は、赤道太平洋海域で顕著に表れ、特に11〜5月にかけての時期は表示で2ランク違っている(有義波高約1m)。
衛星により求めた有義波高分布と、波浪推算モデルにより得られた有義波高分布を比較した。両者の波高分布は定性的によく一致し、季節的な波高の変化、高波高海域の地域的な分布はよく表現されている。しかし、有義波高の量的な比較では、衛星によるものは、波浪推算結果に比べ約50〜100cm低くあらわされている。波浪推算モデルの開発の報告書においても、気象協会波浪推算モデルでは、波浪推算の結果がブイの観測に比べ大きいことが指摘されている。
このような違いはあるが、広域波浪情報として衛星観測は十分な精度を持っ

 

 

 

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