1) 太陽エネルギー利用 2) プロトン(水素イオン)エネルギー 3) 共通エネルギー通貨 4) 濃度差化学エネルギーの変換 5) 分子機械 6) 自己組織化システム また、L−エナジェティクスでは、環境との物質およびエネルギーの交換を重視する。これは、人類のエネルギーシステムを環境に対する開放系として設定し、環境と人類のエネルギーシステムとの間に自己組織化のダイナミクスを実現しようとする考え方である。L−エナジェティクスは、ある意味で地球生態系の進化の流れの中で積極的に人類のエネルギーシステムを構築するテクノロジーであると位置付けることができる。 自己組織化理論は、ダーウィンによる進化論にも影響を与えるようになっている。自己組織化のダイナミクスは、たまたま生まれたゆらぎが、非線形的に増殖し、古い構造そのものを追いやってしまう。これは突然変異した種が、環境の変化によって生育に有利となり、種の交代を引き起こす進化の過程に類似している。また、ゆらぎが自己増殖的に弘大する点において、自己創出性を持つとも言うことができる。このような自己組織化システムは、自己創造的であり、環境に適応し、システム自身も環境との交換の中で学習し、一定の変化を、時には進化を遂げる。人類のエネルギーシステムを、進化的エネルギーシステムというコンセプトまで高めること、これがL−エナジェティクスの究極の目標である。 (5) まとめ これまで述べてきたように、本報告書の成果の一つとして、自己組織化とリサイクルシステムを結びつけたことは新しい概念であると結論づけられる。また、例えば本報告書のコンセプトにあげてあるような、分散型エネルギーシステムが発展整備されれば、エネルギーの消費場所から遠隔地にある発電所等、大規模な供給システムも段階的に閉鎖することが可能かも知れない。 また、本報告書の内容は、これをこのまま工学的に利用するというものではなく、これを哲学的にとらえて、エネルギーに携わる個々の研究者や若い世代等に知らしめることにより、今後どうするかを考えるためのべースを示したということに意味があると考えられる。
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