はじめに
本調査書は、モーターボート競走公益資金による日本財団の平成8年度補助事業として実施した「生命エネルギーの工学的応用に係る調査研究」事業の成果をとりまとめたものである。 生命は、進化のプロセスを通じて地球上で利用できるエネルギーを最も効率的に利用してきたと考えられている。近年、地球環境問題と関連して環境と調和したエネルギー技術が改めて見直されようとしているが、生命は既にその解を得ているということができよう。 本事業では、生命科学分野の研究動向の調査を行い、エネルギー技術の立場から生命のエネルギー利用を見直し、人類のエネルギー変換技術に役立つような新エネルギーコンセプトを提案するとともに、エネルギー技術として具体的に反映した技術システムを考案した。本事業の成果が21世紀のエネルギー問題を考える際のヒントとなり、またこの分野の研究を目指している若い研究者や大学生にとって、道しるべとなれば幸いである。 本事業は、日本クリーンエネルギー技術総合研究所 堀米孝殿を委員長とする「生命エネルギーの工学的応用に係る調査研究」の各委員の熱心なご審議による他、運輸省のご指導および株式会社三菱総合研究所をはじめ、多くの方々のご協力により実施されたものであり、これらの方々に対して心から感謝の意を表する次第である。 平成9年3月 財団法人シップ・アンド・オーシャン財団 会長 今市憲作
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