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10. 京浜港における海上輸送網整備調査(まとめ)

 

以上、京浜港が国際メインポートとしてさらにその魅力を向上させるための諸方策をソフト面を中心に調査研究し、それに関連して、内航フィーダー網の整備についても検討してきた。折しも、内閣総理大臣の諮問を受け、まとめられつつある「経済構造の変革と創造のためのプログラム」の中の「国際的に魅力ある事業環境の創出」に関連し、物流(都市内物流、都市間物流及び国際物流)について、関係省庁との連携の下、インフラ整備、規制緩和、情報化・標準化などの事業者の取り組みに対し、支援措置を総合的に講じることにより、物流の効率化と物流分野におけるエネルギー消費効率の改善が図られようとしている。又、エネルギー消費効率改善の取り組みとして、モーダルシフト推進のため、複合一貫輸送に対応した国内物流基盤の充実を目指し、内貿ターミナルの整備等が挙げられている。
本調査で行った、国際メインポートとしての魅力向上策や、内航フィーダー網の整備が、興隆する東アジア主要港の発展のテンポに伍して取り組まれ、物流の効率化や、国内物流基盤充実の一助となることを期したい。

 

10−1 京浜港の魅力向上策

京浜港は立地条件やハード施設の面ではメインポートとしての資格要件は備わっており、第9次港湾整備5か年計画で一層の強化が図られつつある。さらに、ソフト面でみても、貿易取引関連業務の窓口や優れたノウハウを有する港湾関連産業が集積しており、我が国中枢港湾としての機能を果たしている。
一方、東アジア主要港ではコンテナターミナルが集中立地し、大規模かつ24時間フルオープンのターミナルとして作業効率と運用の柔軟性を確保し、手続き面でも、EDI化によりペーパレス化が進んでおり、機能的で使いやすい港として、中継港としての地位を盤石なものとしている。
京浜港においても、上記のような立地条件やハード施設、さらに、他の東アジア主要港に劣らない港湾関連産業基盤を生かしつつ、メインポートとしての機能を一層強化するため、次のような施策が望まれている。

 

 

 

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