・ この関数は任意の形の生産関数をlogY=F(K,L)と表し、その右辺をlogKとlogLの2次関数によって近似したものと見なされる。 ・ 推定が比較的容易に行える。 ・ トランスログ生産関数では、生産要素や生産物が多数個あるような場合にも容易に拡張されるため、中間生産物(エネルギーや原材料など)を生産要素として含む産業別の生産関数などでよく用いられているのである。 (2) コブ・ダグラス関数による生産関数の設定 今回は上記の生産関数の中から、コブ・ダグラス関数を用いて、造船所の供給力を算出することにする。その理由は、 ? パラメータ数が少なく、韓国等造船所数の少ない国にも適用可能であること ? 前述のCES生産関数、トランスログ生産関数より、操作性が優れている。つまりモデル式を対数変換することによりパラメータα、βに関して線形の式を得ることができるため、通常の最小二乗法を用いて、α、β、Aを容易に設定することができる。 コブ・ダグラス関数の被説明変数(生産量)、説明変数(資本、労働)のデータについては、造船業の場合次のようなものが利用可能であると考えられる。 図表1−3 データ また、OECD等国際協議への対応を考慮すると、説明変数、被説明変数は、客観的、かつ、容易に入手可能なものを用いる必要がある。そこで、我が国の、データを用い、各データの適合性等を検証したところ、被説明変数としては造船所ごとの全体の生産量、説明変数としては造船所ごとの労働投入量とドック面積を用いることが妥当であると推定された。(3.及び第2章参照) 前ページ 目次へ 次ページ
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