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5.2.2 ピストン・シリンダライナ摺動部の状態把握分析

(1)「ピストン・シリンダライナ摺動部の状態把握分析」システム概要

ピストン・シリンダライナ摺動部の状態把握分析をオンライン計測(船上にて)およびオフライン(陸上にて)で行い、シリンダライナおよびピストンリングの異常または異常の前兆を予知できるシステムとする。

?オンラインによる常時診断

以下のセンサを取り付け、船上で常時診断する。

イ)シリンダライナ温度センサ

シリンダライナに埋め込みシリンダライナの温度を計測する。

ロ)シリンダライナ振動センサ

シリンダライナまたは架構に取り付け、機関振動を計測しスカッフィンク等の異常振動をとらえる。

ハ)オイルミストセンサ

クランクケースのオイルミスト濃度計測。クランクケース内のオイルミストはピストンリングブローバイ、軸受け等の異常でオイルミスト濃度が上昇する。

?オフラインによる診断

以下の2つの方法があるが、定期的に潤滑油ポンプ出口よりシステム試料油を抜き出し、陸上検査機関にて摩耗粒子の計測を行う。長期的な傾向の診断である。

イ)フェログラフィー法

潤滑油ポンプ出口より定期的にシステム試料油を抜き出し、陸上検査機関にてシステム試料油中の金属摩耗粒子濃度、大きさ、形等を検査する。

ICP−SOAP法(又は、ICP−反化法)に比べ粒子径の大きいものを計測。(ICP−SOAP: Inductive CouPled Plasma− SPectrometric Oil Analysis Program)

ロ)ICP−SOAP法(又は、ICP−灰化法)

潤滑油ポンプ出口より定期的にシステム試料油を抜き出し、陸上検査機関にてシステム試料油中の金属摩耗粒子濃度を測定する。

フェログラフィー法に比べ粒子径数μm以下の小さいものを計測。

 

 

 

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