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1. 事業の目的等

1.1 目的

内航業界においては、船員不足や高齢化等による技術レベルの低下、さらに一船毎の乗組員数の減少による船内労働力不足により、船員は主に船舶の操縦を行い、整備は陸上へと移行していくものと思われる。
現在の船舶における整備は、入渠時等に行われる保守整備(定期保全)と、故障発生後に行われる修理(事後保全)により実施されているが、航行条件等で左右される個船毎の摩耗状況等に対しては、運転中の機器の状態変化を監視することによる予防保全(状態監視保全)を行う必要がある。これら保守整備の合理化と予防保全の確立により、過剰整備や整備不良を無くし、保全費の低減や稼働率の向上が期待できる。
これまで主機関については状態監視・診断システムが各社で開発され、性能的には向上しつつあるが、必ずしも信頼性が充分でないこと、また、価格の問題から内航船への普及が進んでいないのが現状である。
本調査では、主機関運転状況・故障のモニタリング、診断および予知が可能な内航船用機関分析システム構築のため、種々の故障診断手法の実現性を評価するとともに、技術的課題を明確にし、機関分析システムの実現に必要な研究項目を抽出することを目的とする。
1.2 機関分析システムの機能および調査対象機関
本調査における機関分析システムが有する機能および調査対象とする機関は以下のとおりである。
(1)機関分析システムの機能
機関分析システムには以下の3つの機能を有するものとする。
?モニタリング機能 現状の機関運転状態の表示、監視を行う。
?診断機能 現状の機関運転状態、故障の診断を行う。
?予知機能 機関の運転状況の予知、故障の予知を行う。
(2)機関分析システムの調査対象機関
機関室には主機関、プロぺラ軸系、ボイラ、発電機等多くの機器があるが、本調査では船舶の運航に特に影響を与える主機関に調査対象を絞っている。
また、主機関の機種において、内航では圧倒的に多いディーゼル機関とする。

 

 

 

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