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1.3 実施経過

1.3.1 委員会等の開催実績
事業計画および内容の審議のため下記会合を開催し、現地調査を実施した。
(1)委員会4回
(2)作業部会7回
(3)現地調査
平成9年1月24日、中谷造船所において建造中の内航近代化実証船の調査を行った。
1.3.2 内航近代化実証船仕様案の作成
作業部会にて近代化設備の基本仕様が策定され、委員会において当仕様が承認された。その後、作業部会にて詳細な仕様を決定し装置の開発が行われた。
1.3.3内航近代化実証船の建造
平成8年11月22日から内航近代化実証船の建造が始まり、平成8年12月26日に進水した。内航近代化実証船は平成9年2月1日に造船所から船主に引渡された。
1.3.4 内航近代化実証船建造中の調査
造船所における内航近代化実証船建造につき、近代化設備に係わる指摘事項を調査した。
1.3.5 内航近代化実証船建造後の性能確認
平成9年1月23日および同月29日に各種の試験を実施し、近代化設備の機能を確認した。

1.4 事業の成果

本年度は近代化設備の仕様について検討を行い、これに則した機器等を開発し、船舶へ装備した。実際の船舶の建造過程を通じて近代化設備についての検討・開発・装備を行うことによって、より現実的な研究を行うことができたといえる。
また、建造中の近代化設備に係わる指摘事項を調査した。来年度には、同一造船所において内航近代化実証船と同型船(従来型)の建造が計画されている。この同型船の建造工数についても調査を行うこととしており、今回の内航近代化実証船建造と同船型(従来型)建造のそれぞれの工数を比較することにより、近代化設備に対応した工数低減等に関する検討が行えるものとなる。
さらに、建造された内航近代化実証船に対し性能確認試験を行い、船舶としての性能、近代化設備の作動状況等を確認することができた。近代化設備の一部については基本的な機能の評価を行い、機能要件を満足していることが確認できた。
今年度では近代化設備の仕様をとりまとめ、実船を建造し、基本的な機能等を確認することができた。これに引き続いて来年度においては、内航近代化実証船は船主の業務計画に基づき運航される。この実運航を通じて近代化設備の運用を実証・評価することしており、そこで得られる成果は内航船の近代化をさらに推進するものと期待している。

 

 

 

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