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く用いられるM15モードと、その加速時の加速度レベルをやや低下させたモード(便宜上M152と称する)にて評価を行う。システムの構成上、先導車をそれぞれの走行モードで走らせ、それを一定車間で追従するものとした(図3.2−3参照)。
?実験2
道路環境の環境負荷への影響を見るため、渋滞している状況から流れている状況まで、4つの走行モードを設定してみた。平均速度はそれぞれ、5,lO,20,30km/hで、図3.2-4に示すような速度履歴となっている。ここでも先導車をそのようなモードで走行させ、追従するものとしている。
?実験3
実験2では速度変化を規定しているが、それを外し、一方バスの路線環境で必須であるバス停(b)、信号(s)、路上駐車(c)を設定して自由に運転してみる実験を用意した。全長4kmのコースに3種のものを適当数設置し、バス停は必ず10秒間停車、信号は赤でない限り通過可とし、路上駐車についてはランダムに到来する対向車にぶつからないように追い抜くようにした。
実験はいずれも1条件を3回実施し、そのばらつきも見ることにした。
(3)結果と考察
実験1の結果の一例を図3.2−5に示す。一連の結果から、急加速をせず、適切なタイミングでのシフトチェンジをすることによって、環境負荷は30%程度も低減可能であることがわかった。また軽量化による改善も大きい。さらにAT車は、MT車の適正運転時より燃料消費量は約10%悪化するものの、排ガス量はあまり変化が見られなかった。高回転数まで引っ張る運転や、低速ギアのまま走行するようなMT車と比較すると、AT車の方がむしろよい結果となるのも確認された。
実験2の結果の一例を図3.2-6に示す。これから、時速20kmまでは平均速度の向上が環境負荷の改善に結びつくこと、さらに平均速度を上昇させても発進停止の回数が多いとそれ以上の改善はなく、かえって悪くなる場合もあることがわかった。
実験3では、設定したものの数より、実際の発進停止の数が結果に支配的であった。同じ設定の場合でも、先を読む運転をするかどうかでかなり異なった結果を得ることもあった。

 

 

 

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